というタイトルの記事を書いておきながら、最初に言っておきたいのは、このタイトルはある意味正しく、ある意味間違っているということである。
それは、身も蓋もないが5000万円程度の資産でFIRE可能かどうかは「人による」からだ。
なお僕は、実際にもっと低資産でFIREする人もいる状況を踏まえ、すべての人にこの考えが当てはまるわけではないというのは認識していて、そのうえでもうすぐ資産5000万円に迫ろうという僕は、現時点でのFIREはまだできないと考えている。
もちろん、ある程度の節約生活をすることを覚悟したうえでもだ。
それは、その人のリスク許容度の問題でもあると思っている。
ちなみに僕自身は、数年前には「5000万円もあれば(なんとなく)余裕でFIREできるんじゃね?」と感じていた人間で、それ以上貯めるのは心配しすぎじゃないか?心配しすぎでいつまでもFIREできないんじゃないか?と思っていた。
だが実際に、僕の資産5000万円到達が現実的となってきた今、改めてこのぐらいの資産ではFIREはできないな〜と思っているという現実があり、このブログを書いている。
ということで、その理由を説明していこうと思う。
まず一つ目は、5000万円という資産は、単純に4%ルールで回せるだけの資産に達成していない、というのがある。
最初に簡単に説明するが、FIREにおいては有名な「4%ルール」というものがあり、これはS&P500を毎年4%ずつ切り崩し運用していけば、30年経っても資産は枯渇しない、というものである。
そして、仮に毎月20万円を生活費にするとして、4%切り崩すとなると資産は6000万円必要となる。
ここでは税金を計算に入れていないが、利益の20%が税金で取られると考えると、さらに多くの資産がないと4%ルールでの運用は不可能となる。
これは数学の計算の話なので、否定しようのない事実である。
そこで「生活費をもう少し減らせば達成できるのでは?」と思う人もいると思うので、仮に生活費を月15万として計算してみると、必要な資産は4500万円となる。
含み益がどの程度出ているのかによって、税金がどの程度かかるかは変わってくるため正確な計算はできないが、月15万円生活を前提とすれば、資産5000万円でも十分可能な範囲では?とも思う。
そこで2つ目の理由になるが、実際にFIRE可能かも?となったら、人はできるだけリスク低減を図りたいと考えるからだ。
資産が少ないうちは、計算上これだけの資産があればFIREできる!と思っても、いざそれが現実に近づいてくると、本当に大丈夫なの?大暴落が数年単位で続いたら破綻してしまうのでは?と考えてしまう。
それに、仮に節約生活を一生続けていくことを覚悟していたとしても、実際に月15万だけで生活していくのは現実的にはなかなか厳しい。
普段の生活だけならともかく、スマホや家電の買い替え費用やマンションの更新料はどう捻出する?
急病で入院する必要が出てきたら・・など。
少なくとも毎月15万円の生活費から費用を捻出するには額が大きて無理があるし、だからと言って元本から取り崩すしてしまうと元本が減ることで4%ルールで取り崩せる額が減ってしまう・・とか色々考えると、やはり5000万円だけでFIREするのはやや心許ない。
家電や更新料の問題は、数年に一度必ず発生する必要経費であるため、どう対応するかはFIREする前に計画に組み込んでおくべきだ。
この対策として、僕であればもう少し資産を上積みしてからFIREしたいと考えている。
少なくとも、運用資産とは別に、生活防衛資金として数百万円は確保しておきたい。
3つ目の理由は、FIREして一度無職になったら、再就職して今と同等の収入を再度得るというハードルが限りなく高いからだ。
つまり、FIRE失敗したからといって、FIRE前の環境でやり直すことがほぼ不可能、ということだ。
僕は基本的にFIREするのであればもう働きたくはないので、バイトや副業などの労働はするつもりはない。
その状況で、FIREして数年経ってから資産が明確に減ってきたとしたら、キャッシュフローがない分、仕事している時に比べても不安は大きいだろう。
仮にバイトをするなどして収入を得るとしても、今の労働単価を考えるとバイトは圧倒的にコスパが悪いし、年齢的にも体を動かすような仕事はきつくなってくる。
何より、僕はセミリタイアというものにあまり価値を感じていなくて、「バイトや副業をしなくては生活できない」というのは、結局働かないと生きていけないという意味では労働から解放されたとは思えないと思っている。
そういう意味で、コスパが悪いバイトでFIRE生活の安定を図るつもりがないという個人的な意見が大きい。
※なお、お小遣い稼ぎとか、社会とのつながりのためとか、適度に体を動かすためにバイトをするのは賛成派です。
気分が乗らないから今日はしないでもいいや〜ぐらいな生き方でありたい。
ここについては、足りなければバイトすればいいや〜派の人もいると思うので、気にならないという人も
いるかもしれない。
4つ目の理由は、NISA枠は老後まで取り崩さずに運用を続けたいと思うからだ。
FIREはリスク資産を運用し続けて、利益を生活費にまわすという考えが基本であるから、長期間にわたり株価の低迷期間が続けば失敗する可能性も出てくる。
過去を見れば低迷期を挟んでも4%ルールは成功する可能性が限りなく高い、というのは分かってはいるものの、未来も確実に成り立つと保証されているわけではないので、やはり不安はある。
そこで、どうにかリスク軽減を行う必要があると思うのだが、その策の一つとしてNISA枠の長期運用が有効だと思っている。
老後2000万円問題のような話もあるので、仮に4%ルールで定年まで資産の取り崩し生活ができたとしても、老後に元本が多少でも減ってきている状況であれば、年金が入ってきたとしてもその先の生活は厳しくなる。
FIREすることで、定年まで働いた人より厚生年金の積み上げが少なくなることを踏まえると、定年まで勤め上げた人に比べて年金額が少ない分、より定年生活時のリスク軽減を考えておく必要があると思う。
ここも、FIREするにあたり見逃しがちなポイントの一つだ。
そこで僕は、NISA枠を埋めた後にFIREし、取り崩さずに運用していくことを考えている。
(できれば会社を辞めずに)新NISAの1800万の枠を最速で埋め、旧積み立てNISAも20年の枠を最大限利用する。
僕の年齢が40歳前半であることを考えると、旧NISA枠の運用終了の時期と老後生活開始との時期が近く、相性も悪くない。
そして、別の記事でも書いたように、僕は新NISAの成長投資枠ではVTやVYMといったETFを長期運用していくことを想定している。
それらのETFは、株価は徐々に増えていく可能性が高いうえに配当金がもらえるため、この配当金を毎月取り崩し生活費以外の経費(家電の買い換えや更新料など)に当てることもできる。
余裕があれば多少の浪費をしてもいい。
いわば、プチボーナス枠だ。
さらにその配当は株価の成長に比例して、時間が経つごとに膨らんでいくことが想定される。
そして老後には、年金生活で足りない分をその配当で補填し、賄っていく。
上記に加えて、長期の株価暴落に備えた生活防衛資金として、数年分の現金があればまあ安心かな、と思う。
ということで僕の戦略ではNISA枠を埋めた後に、特定口座で膨らませた資産を4%ルールで取り崩しを行って生活費を賄う資産があれば、ようやくそこそこ安定してFIRE可能かな、ぐらいに思っているので、5000万円程度の資産では少し心許ないかと思っている。
5000万円というと、あまり資産がない人からすると超大金でなんでもできるでしょ!と思うかもしれないが、いざそのぐらいの資産額に到達するのが現実的になり、FIREを意識してくると色々不安になるものである。
とはいえ、それはいきなり会社を辞めるという行為が怖いからでもあり、実際にはワンチャン資産額が5000万円程度でもなんとかなるんじゃね?と思っている節もある。
最近は〇〇万円でFIREしました!みたいな記事も見かけるが、そういった方が完全FIREしているわけでなく、結局副業(ブログやらYOUTUBEやら)をしているというのはやはり不安だからなのだろう。
ただ、資産が5000万円もあれば、税金面は一旦置いておくとして生活費が月20万円とすれば年240万、計算すると約20年は無職でいられるのは事実である。
ここまで色々考察してきたが、やはり資産を増やしすぎるのも若い時間を失ってしまうという懸念がある一方、資産が足りなさすぎると後で後悔するのは間違いない。
FIREに向けて、多くの人が投資方針を発信しているなか、こういう考えの人間もいるのだと参考にしていただければと思います。
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